
直江誠子さん
(アルプス居宅介護支援事業所)
おひとりお一人の人生の歩みを紐解いて関わる。
ハザードマップの作成を提案
6年前に北杜市に移住した直江誠子さんは、26年間暮らしていた福岡県でもケアマネージャーとヘルパー協会関連の管理職を歴任するなど長らく介護業界で活躍してきた。「豊富な経験をもとに『いまここにはないもの』を積極的に提案してくださり、それが今回の受賞に帰することとなりました」と事業所の管理者である浅川成彦さんが紹介してくれる。
「私は宮城県出身で、東日本大震災では実家が津波に流されてしまう被害に遭いました。それで震災への危機感を常に持っており、福岡では、子供たちが通う中学校のPTA役員として学校側に働きかけ、ハザードマップを作成しました。また、当時の勤務先にも常備していましたね。」と直江さん。
地震に強い…と言われる北杜市だが、いざというときに要介護の方はどう避難すればよいのか?独居者も増えている。停電したら人工呼吸器は誰が対処するの?直江さんは体制整備の必要を感じたという。利用者の暮らす家を訪ね生活支援をする仕事は、ただプランを立てれば済むというものではない。「まずハザードマップを作りましょう」という提案は事業所スタッフみんなの共有事項となった。
長い目で思いを受け止め支え手になる
「この仕事は人を支える尊い仕事であると同時に、自分の人生を学べる仕事でもありますよね」と語りかける浅川さんに笑顔で応える直江さん。お二人とも移住者であり、外と内から両方の視点で地域を見守っている。
「60代で移住して来る方が多いと思いますが、その後の10年ないし15年でいかに地域と関わり、よい仲間を作れたかで80代の人生は違ってくることを、私も利用者さんからすごく学ばせてもらっています」と直江さん。車の運転などさまざまな局面で若い人の力も借りながら上手に日常を過ごしている方が身近にいるというのだ。
「誰も助けてくれなければ寂しい人生になってしまいますからね」と話す直江さんは、利用者のみなさん誰一人として同じ人はいないので、それぞれの方がどういう人生を歩んできたのかをしっかり聞き取ることが大事だともいう。
「どんな声かけをしたら一番心に響くのかな…って、お相手に通る言葉を常に探しながら関わっていますね」と穏やかな表情で。
人に歴史あり。今だけを見るのではなく、さながら名探偵のようにその歴史を紐解いていくことが希望に繋がるのだ。
