年を重ねても大切な食事
「食べる」ことは「介護予防」
食事は体力や筋力、認知機能にも影響してきます。
年を重ねていくと、様々な原因で食欲や食べる力が低下することがあります。
今、そしてこれから毎日食べていくものが、今後の健康の鍵となっていきます。1食1食が大切ですが、ポイントは3つ。
- 食事を楽しむ
- 規則正しく食事を摂る(欠食しない)
- 低栄養に注意する(肉や魚も毎日食べる)
低栄養状態で変わる身体の状態
低栄養の多くは身体の機能を維持している「エネルギー」と「たんぱく質」が不足している状態です。
どちらが不足しても、体力も免疫力も落ちてしまいます。
肺炎、骨折、認知症など様々な病気にかかりやすくなり、病院で治療しても回復が遅くなります。
高齢者が元気に動くための骨格筋を保つには良質なたんぱく質(特に肉類)を十分に摂ることが大切です。常に「しっかり食べる」という意識を持つようにしましょう。
★おいしく食べて低栄養予防!パンフレット
東京都健康長寿医療センター研究所より、低栄養予防のためのパンフレット「おいしく食べて低栄養予防!」のパンフレットが作成されました。
高齢者自身が自分の栄養状態を把握し、口腔機能の低下や低栄養について自分のこととして理解できる内容になっています。
おいしく食べて低栄養予防!.pdf (PDF 5.39MB)
鍋は具材バランスと食塩を考えて.pdf (PDF 636KB)
しっかり食べよう!肉、魚
チェックしてみよう!!
該当する項目はありませんでしたか?
該当する項目が1つでもあったら、まず、食事の内容を確認してみましょう。
体重で健康管理!
体重の増減は、口から食べたエネルギー量(摂取エネルギー)と活動で使ったエネルギー量(消費エネルギー)のバランスで決まります。
ちょこちょこ動きお腹をすかせ、しっかり食べるのがポイントです。
体格指数(BMI)は18~25が一番病気になりにくいと言われていますが、
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算できます。
また、半年で2~3kg以上の体重減少がある時は、注意が必要です。
食べて元気にフレイル予防!
厚生労働省より、食事に関するフレイル予防のパンフレットが作成されました。
フレイル予防も視野に入れて策定した食事摂取基準(2020年版)を活用し、高齢者やその家族等が、フレイル予防に役立てることができる内容となっています。
誰もが感じる、加齢に伴う機能の低下
- 歯周病の発症・歯の残存数の減少・噛み合わせが悪くなる
- 舌の動きが悪くなる・飲み込み機能が悪くなる
- 筋肉量の低下(筋力の低下)・身体活動量の低下(身体機能の低下)
- 視力の悪化
- 食欲の減退
というように、身体のあちらこちらに変化が現れてきます。
食べやすくするための調理の工夫
噛みやすく・飲み込みやすくする工夫
- 肉類、野菜類、いも類は一口大に切る。
- 肉類はたたくと柔らかくなり、筋や皮を取り除き切り目を入れて調理する。
- 野菜類は、時間をかけて加熱して、薬指で軽くつぶれるくらいまで煮る。
- 口に残る皮のある、トマトやナスなどは皮をむいて使用する。
- 葉物野菜は、葉の方を主に使用し、茎の部分は細かく刻む。
- ミキサーにかけたり、裏ごしたりする。
お酒の好きなみなさまへ
お酒の栄養はほとんどがエネルギーだけです。
お酒でお腹が満たされることで、知らぬ間に低栄養状態を招いていることがあります。
また、アルコールは体内で加水分解をするので、一時的に脱水状態にあると言えます。
- たっぷりのおかずと一緒に飲む
- 水分の補給もしながら飲む
などの工夫が必要です。