世界に誇る「水の山」プロジェクト ABOUT "MIZUNOYAMA" PROJECT
「水の山」コラム
#007 シャトレーゼ 白州工場
世界中の人々へ、おいしさと笑顔を届けるために
新鮮で良質な素材を使った安全でおいしいお菓子を、リーズナブルな価格で提供しているシャトレーゼ。
定番のケーキやアイス、ゼリー、焼き菓子、和菓子に加え、パンやピザ、アレルギー対応のスイーツ、
さらには近年話題の糖質カットシリーズまで、幅広いラインナップの商品を製造し、国内600店舗、海外8ヵ国100店舗で販売している菓子メーカーだ。
尾白の森名水公園「べるが」にほど近い森の中に、シャトレーゼの白州工場がある。
「我々には、お菓子作りを通して『この国の笑顔の理由になろう』というコンセプトがあり、それを実現するために、素材や製法にこだわっておいしいお菓子を作っています。そして、そのお菓子作りに欠かせない重要な素材の一つが『水』なのです」と話すのは、岡田賀津宏白州工場長。岡田さんによれば、お菓子作りに最適なのは、雑味やくせのないまろやかな水。甲斐駒ヶ岳の花崗岩層で時間をかけて濾過されたナチュラルミネラルウォーターであるにもかかわらず、ミネラルの含有量が少ない白州名水はまさに理想的な水であり、この水との出会いが、今日のシャトレーゼのお菓子作りを根本から支えているのだという。
水の硬度は、マグネシウムとカルシウムの含有量をもとに算出され、WHOでは120mg/lまでを軟水、それ以上を硬水としているが、シャトレーゼが使用している白州名水の硬度はなんと16~22mg/l。最軟水と呼ばれるどこまでもやわらかい水だ。この貴重な水を得るため、シャトレーゼでは、白州の水脈の中でもミネラル成分の少ない部分にフォーカスして井戸を掘削し、白州工場だけでなく、本社工場や豊富工場にもタンクローリーで運んでお菓子作りに使用している。
シャトレーゼが、本社中道工場に次ぐ2つ目の工場として白州工場を建てたのは、平成6年7月のこと。豊かな自然環境と共生する21世紀型の工場であると同時に、国内最大規模を誇る冷菓工場でもあり、以来、「ファーム・ファクトリー構想」の一大拠点として、素材豊かな山梨から国内外の直売所や工場へと、水が重要な商品を中心に日々供給し続けている。
水が重要な商品とは何だろう。その一つが、餡である。
「シャトレーゼで作っているお菓子に使用する餡は、すべて白州工場で作っています」と、生産計画から製造、確認、出荷までの製造ラインを一括管理する村田英明プレジデント。入社10年、餡一筋にやってきたスペシャリストである。
「豆は初めて水に触れた瞬間から給水が始まるため、最初の水は非常に重要です。弊社では契約農家で栽培された北海道産の小豆を使い、洗浄から炊き上げまでの全工程で白州名水を使わせていただいています。実は、日本各地から名水といわれる水を取り寄せて試してみたりもするのですが、餡子のくちどけや風味、炊き上がりの色なども含めて、やっぱり一番良いのが白州名水なのですよ。そうした経験も踏まえ、チーム全体でこの水を大切に使っていかなければという共通認識のもと高い理想を掲げて餡作りに取り組んでいます」と胸を張る。
お菓子によって使用する餡も変えるため、日々作る餡は60~80種類。農作物である小豆はその年によって出来が違い、大きさにもばらつきがある。加えて、温度や湿度など日々の気象条件によっても微妙な違いが生じる。それらを加味し、調整しながら、同じ品質の餡を炊き上げ各工場へと送り出すことが製餡ラインの使命であり、これを果たすべく日々研究を重ねているという村田さん。「餡作りにゴールはないんですね。私自身も小さい頃からあんころ餅が大好きでずっと食べて来ましたので、心からおいしいと思える餡を作りたいと思いながら日々精進しています」。屈託のない笑顔に、餡子職人としてのゆるぎない誇りが垣間見える。
白州工場のもう一つの主力商品が、アイスだ。
「アイスは、砂糖、乳製品、果汁、果肉といった原料を水に溶かし込んで作りますから、どのような水を使うかは極めて重要であり、水の品質が最終的な製品の味を左右するといっても過言ではありません」と話すのは、アイスを商品化する際の原材料の選択から配合までを一手に担当している、商品開発部の野尻正浩プレジデント。
「こだわりを持って原材料を選ぶのはもちろん、その味をより引き出し際立たせるにはどうしたらいいかということを大切にしています」。
通常アイスに使用されることの多い香料や安定剤といった添加物は、原料そのものの良さや風味を損なうリスクが大きいため極力使用せず、原料比率を高めるなど試作を繰り返しながら最もおいしい状態を追求していくそうで、「白州名水は、癖がなく原料の味を引き立ててくれますし、まろやかでさっぱりとした味わいなので、アイスも、より素材の味を感じられるのに、口当たりがよく、さっぱりとキレの良い後味に仕上がってくれます。アイス作りには欠かせない、重要な原料の一つですね」と話す。
年30~40の新商品を出すために数百種類の試作から絞り込んでいくという商品開発。100種類以上あるというラインナップのなかから自信作を尋ねると、「もちろん全部ですよ」と笑った後、特に思い入れの強い商品として、添加物をほとんど使わず、牛乳の良さと風味を前面に押し出すことに成功した「八ヶ岳契約牧場しぼりたて牛乳バー」と、炊き上げたばかりの餡をミックスすることで小豆の風味や餡本来のおいしさを封じ込めた「和菓子アイス十勝あずき」を挙げてくれた。
1954年の創業以来、素材にこだわり、製法にこだわって、安全でおいしいお菓子を家庭へと届けてきたシャトレーゼ。今や、日本国内にとどまらず世界へと広がりを見せるその人気を支えているのは、牛乳、卵、新鮮なフルーツ、そして水といった厳選された素材と、そのおいしさを最大限に生かそうと情熱と誇りをもって日々お菓子作りに励む人々だ。
その熱意と勢いに触れ、工場見学の再開も含めてこれからの展開がますます楽しみになった。
シャトレーゼ 白州工場
- 住所
- 山梨県北杜市白州町白須大原8383-1
- 電話番号
- 0551-35-4612
- 定休日
- (白州工場見学)営業日・定休日等、詳細はシャトレーゼ工場見学HPをご確認ください
- 営業時間
- (白州工場見学)営業日・定休日等、詳細はシャトレーゼ工場見学HPをご確認ください