ミズくまくん

世界に誇る「水の山」プロジェクト ABOUT "MIZUNOYAMA" PROJECT

ミズくまくん

「水の山」コラム

#013 高校生×水の山パートナー企業

高校生によるパートナー企業の視察2024(1) 山梨銘醸・金精軒・サントリー編

2年目を迎えた、世界に誇る「水の山」ユースアイデアプロジェクト

昨年から始まった、世界に誇る「水の山」ユースアイデアプロジェクト。北杜市内にある3つの高校(山梨県立北杜高等学校、北杜市立甲陵高等学校、学校法人帝京大学帝京第三高等学校)で学ぶ生徒に、北杜市が誇る水資源や自然環境について知ってもらい、地域の未来について考えてもらうことで、シビックプライド醸成、持続可能な地域づくりの必要性の浸透、さらには、「水の暮らすサステナブルなまち 北杜市」のブランド価値の構築などを目指す取り組みだ。水の山パートナー企業各社は「企業視察」を実施し、水資源や自然環境について学ぶ機会を提供している。

7月9日に帝京第三高等学校で行われた「第1回 ユースアイデアプロジェクト」には、今年度同プロジェクトに参加する帝京第三高等学校1年生59名、甲陵高等学校2年生3名と、水の山パートナー企業6社が集結。北杜高等学校からは1年生がリモートで参加し、水の山パートナー企業による企業紹介や水のとのかかわりに関するプレゼンテーションに耳を傾けた。

10月16日には、1回目の企業視察が実施された。今年度の企業視察は3つのグループに分かれて行われることになっており、この日Aグループがまず向かったのは、白州地区にある台ケ原宿だった。

山梨銘醸(七賢)外観

江戸時代から続く北杜市唯一の酒蔵 山梨銘醸

山梨銘醸の創業は、1750(寛延3)年。台ケ原宿に逗留した際に、柔らかく透明感のある北杜の水に惚れ込んだ初代蔵元 中屋伊兵衛が、信州高遠で代々酒造業を営んでいた北原家から分家して、酒造りを始めた。以来、270余年にわたり、南アルプス甲斐駒ヶ岳の伏流水を仕込み水として、日本酒を作り続けている老舗である。

甲州街道を歩くこと数分で、豪壮な造りの店舗に到着した高校生たち。軒先を飾る大きな杉玉や歴史を感じさせる看板などに目を輝かせながら、店舗の中へ。取締役統括部長の粟沢光雄さんによる、山梨銘醸の歴史や酒造りにおける水の大切さについての説明が始まると、真剣な表情で聞きながら、メモを取る姿や、麹の甘い香りが漂う店内を見回す姿が見られた。
続いて案内されたのが、北原家母屋の奥座敷。明治13年、明治天皇御巡幸の際に、「ご在所(宿泊所)」とされた場所で、現在は山梨県指定有形文化財となっている。
銘酒「七賢」の名の由来ともなっている高遠藩内藤駿河守より拝領した「竹林の七賢人」の欄間や、北原家が有する2つの家紋、明治天皇ゆかりの品々など、貴重な展示品を前に、歓声を上げたりうなずいたりしながら見学する様子が見られた。山梨銘醸(七賢)内観山梨銘醸(七賢)施設説明

「300年近くも同じ水を使って、この環境と水を活かした日本酒を追求しているという話を聞き、すごいと思いました。20歳になったらぜひ飲んでみたいです。」
「北原家の主屋をじっくりと案内していただき、貴重な品を見学することができておもしろかったです。家紋を二つも所有し、明治天皇がお泊りになるようなものすごい名家が北杜市にあることを知り、このまちで学んでいることが誇らしくなりました。」山梨銘醸(七賢)施設説明

白州の天然水と地元食材で美味しい和菓子を追求 金精軒

続いて向かったのが、同じく台ケ原にある金精軒。創業は1902(明治35)年。
山梨を代表する銘菓「信玄餅」をはじめ、防腐剤や人工甘味料を一切使わず、地元食材を用いて手作りにこだわった和菓子を提供している、老舗の和菓子屋だ。

かつては台ケ原宿の旅籠だったという趣ある店舗内で、清水珠央さんが説明してくれたのが金精軒と水とのかかわり。鉄道の開通により台ケ原宿の利用者が減少することを懸念した当時の主人が、先見の明から甲府の金精軒で修行をして白州の水を使って和菓子屋を始めたという創業の経緯から、今日までの歩み、素材や手作りへのこだわり、そして、白州の水が金精軒の和菓子にいかに重要なのかといったことが語られた。
また、つきたての「生信玄餅」の試食、続いて「ぜひ食感を比べて欲しい」とお土産の信玄餅も配られた。
そして最後は、生徒たちの要望で急遽買い物タイムに。白州の水で作った和菓子を実際に味わってみたいと、いろいろな銘菓を購入する姿が見られた。

金精軒-外観金精軒-説明01

「おいしい和菓子を作るために、白州の水だけでなく、白州の水で育てられた農産物を使っているという話が印象に残りました。水そのものを味わってもらおうと考案された『水信玄餅』にも興味があります。」
「材料も作り方も同じなのに、全国から訪れるお客さんから、『ここのあんこはおいしいね』と言ってもらえるのは水のおかげだということや、白州の水は素材の味を活かしてくれる水なんだという話を聞いて、すごい水なんだなと感動しました。」

金精軒-説明02金精軒-説明03

山全体が水工場  サントリー 南アルプス天然水工場

最後に訪れたのは、サントリー 南アルプス天然水工場。「水と生きる」をコーポレートメッセージに掲げるサントリーが、1996年に設置した最初の天然水工場だ。

高校生たちは環境負荷の少ない電気バスに乗り込み、82万平米もあるという緑豊かな白州の森の中を移動。南アルプス天然水工場に到着すると、まずは、南アルプスの自然環境や20年以上かけて天然水が育まれるメカニズムを映像や大パネルで学習し、この地域が、豊かな自然と人間が共存する世界規模で見ても貴重な地域だということを学んだ。また、南アルプスの豊かな自然が天然水を育む様子を表現した臨場感あるプロジェクションマッピングを鑑賞し、南アルプスに降った雨や雪が、花崗岩の地層を移動し、約20年かけてミネラル豊富な天然水になる過程を体感した。サントリー白州工場-電気バスサントリー白州工場-説明01 続いて製造工場を上部から見学。安心安全のため徹底した入室制限が敷かれた無人の工場内で、素早くボトルに詰められ、ラベルが巻かれ、箱詰めされていく様子に驚いたり、ペットボトルの原型であるプリフォームも同工場内で作られていると聞いて関心したりする様子が見られた。そして最後は試飲タイム。水について学んだ後で口にする南アルプス天然水は、いつもとは違う特別な味がしたようだった。サントリー白州工場-ミネラルウォーター製造説明サントリー白州工場-ミネラルウォーター製造説明

「南アルプスに降った雨や雪が美味しい天然水になるまでの「水の旅」のプロジェクションマッピングがとてもきれいで、見ていて楽しかったです。水のために森が大切な理由もわかって、勉強になりました。」
「僕は北杜市で豊かな自然に囲まれて生活しているのに、自然を保全するための活動については知らなかったので、サントリーの取り組みを知ることができて良かったです。機会があれば、ぜひ保全活動にも参加してみたいです。」
「天然水が20年もの長年月をかけて育まれるということは、今年降った雨や雪は今から20年後に天然水になるということなので、今ある自然を私たちが守ることで、未来の子ども達が美味しい天然水を飲めるんだなと思って、自然を守ることの必要性や大切さを改めて感じました。」

サントリー白州工場-説明03サントリー白州工場-説明04

視察を終えて

「3つの企業はどこも水と深くかかわっていて、水についてより学習できてよかったです。水は、自分たちが生きて行く上で欠かせない大切なものであり、限りある資源でもあるので、これからも水についていろいろな視点で調べ、研究して、限りある水資源をこれからの地球環境のなかで、どのようにして大切にしてどのようにして未来へつなげていくのかを考えていきたいと思います。」

「今日は、水が美味しいとお米も甘くなって、おいしいお酒やお菓子が作れるとか、材料や作り方が同じでも、水が違うと味が変わってくるといったことを学ぶことができて、水はすべての源で、水を通して全部がつながってくるんだなと思いました。この水の良さを活かして、北杜の農産物などもブランド化できたら、世界に誇る水の山だけでなく、世界に誇る北杜市になれるんじゃないかと思います。」

「今回訪れた山梨銘醸さんや金精軒さんの素晴らしい商品があるのも、みんな北杜市の自然のおかげだと思いました。なので、北杜市の自然を守ることが大切だし、それを、ユースアイデアプロジェクトのような活動を通して、私たちが未来の子ども達に発信していくことがとても大切だとも思うので、今回のプロジェクトでも、北杜市の水がどれほど美しくて、それを北杜市の産業とどんなふうに結び付けられるのかを考えたいと思います。」

サントリー白州工場-集合写真

 

山梨銘醸 七賢

住所
山梨県北杜市白州町台ヶ原2283
電話番号
0551-35-2236
定休日
元日
営業時間
9:30~17:00(10月~3月は16:30まで)※直営店営業時間
URL
http://www.sake-shichiken.co.jp/

金精軒

住所
山梨県北杜市白州町台ヶ原2211
電話番号
0551-35-2246
定休日
木曜日
営業時間
9:00〜18:00
URL
https://kinseiken.co.jp/

サントリー天然水 南アルプス白州工場

住所
山梨県北杜市白州町鳥原2913-1
電話番号
0551-35-2211
定休日
年末年始・工場休業日(臨時休業あり)
営業時間
9:30〜16:30(最終入場 16:00)
URL
https://www.suntory.co.jp/factory/water/

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