アルコール健康障害とは
「アルコール健康障害」とは、「アルコール依存症」、「多量の飲酒」、「20歳未満の者の飲酒」、「妊婦の飲酒」などの不適切な飲酒の影響による心身の健康障害のことです。
不適切な飲酒は本人の身体や精神を蝕むだけでなく、家族や周囲に深刻な影響を及ぼします。アルコール健康障害についての知識を身に付け、健康的な生活を送ることができるようにしましょう。
1.適切な飲酒量を知りましょう
厚生労働省は「健康日本21(第一次)」の中で、節度ある適度な飲酒を1日平均純アルコールで20g程度と定義しています。また、生活習慣病のリスクを高める飲酒量として、男性は純アルコール40g、女性は純アルコール20g以上とされています。
アルコールを分解する力が弱い方(お酒を飲むとすぐに赤くなってしまう方)、女性や高齢の方などはより少ない飲酒量とすることが推奨されています。
酒の種類 |
ビール |
日本酒 |
焼酎 |
チューハイ |
ウィスキー |
ワイン |
アルコール濃度 |
5%の場合 |
約15% |
25% |
7%の場合 |
40~43% |
約14% |
単位 |
中瓶1本 |
1合 |
0.5合 |
1缶 |
ダブル1杯 |
グラス1.5杯 |
量 |
500ml |
180ml |
100ml |
350ml |
60ml |
180ml |
ノンアルコールとうたっている飲料の中にも、アルコールが含まれた商品があるため注意が必要です。アルコール度数や量を確認し、適量を守りましょう。
2.アルコールが心身に及ぼす影響を知りましょう
体への影響
適量を超えた飲酒は、肝障害、膵炎、高血圧、糖尿病、高尿酸血症等の生活習慣病のリスクを高めます。また、妊娠期には胎児への影響が出る場合もあります。
アルコールによる肝障害は、アルコール性脂肪肝→肝硬変→肝がんへと移行します。
適度な飲酒と休肝日を設け、定期健診を受診し、アルコールによる健康障害の早期発見・早期予防が大切です。
精神への影響
過度に常習化した飲酒は精神面に影響を及ぼし、アルコール依存症を発症することにつながります。アルコール依存症は、大量のお酒を長期にわたって飲み続けることで、お酒がないといられなくなる精神疾患の一つです。
アルコール依存症では、アルコールが体から抜けると、イライラや不眠、頭痛、吐き気、下痢、手の震え、発汗、頻脈、動悸などの離脱症状が出てくるので、それを抑えるためにまたお酒を飲んでしまうということが起こります。その影響が精神面にも身体面にも表れ、仕事ができなくなるなど生活面にも支障が出てきます。
アルコール依存症は、飲酒のコントロールができなくなる精神疾患であり、お酒を飲んでいれば誰でもなる可能性があます。しかし、そのことが理解されず本人の意思が弱いと誤解されることがあります。医療機関で治療を受け、断酒を続けることで、アルコール依存症から回復することが可能です。
アルコール依存症のリスクをチェックしてみましょう
簡単な質問に答えることで自分の飲酒習慣がどのような状況にあるのかを確認できます。
こころの体温計 (アルコールチェックモードがあります。)
3.飲酒に関して特に注意が必要な方
高齢者
高齢者では、アルコールの分解速度が下がるため、アルコールの血中濃度が高くなくても酔い方がひどくなるといわれています。また、高齢者の飲酒は脳血管障害、骨折、認知症など寝たきりになる恐れのある疾患の危険性を高めます。
さらに、退職や配偶者の死をきっかけに飲酒量が増え、飲酒問題につながることがあります。生活リズムを崩さず、社会的活動や人とのつながりを絶やさないことが大切です。
若年者
若者の飲酒は、急性アルコール中毒やアルコール依存症等のリスクが高く、心身に大きな影響を及ぼします。また、令和4年4月から成人年齢が18歳に引き下げられましたが、飲酒に関する年齢制限は20歳のままです。
詳しくは「20歳未満の飲酒は、やめましょう。」をご覧ください。
女性
女性は男性よりも酔いやすく、肝臓にダメージを受け、早期に肝硬変やアルコール依存症になりやすいなど、特有の飲酒リスクがあります。男女ともに飲酒量の目安は純アルコール20gですが、女性はさらに少ない飲酒量に抑えることが望ましいとされています。
なお、妊娠中の飲酒は避けるべきです。妊娠中に飲酒すると、生まれてくる赤ちゃんに、体重の減少、顔面などの奇形、脳の障害など様々な悪影響が出てくる可能性があります。
4.飲酒問題に関する相談場所
「自分の飲酒習慣」、「飲酒による心身の悩み」、「家族や周りの方の飲酒問題」等について、一人で抱え込まず、ご相談ください。
- 【健康について】 北杜市健康増進課 0551-42-1335
- 【依存症について】 山梨県精神保健福祉センター 0552-54-8644