令和5年2月21日、令和5年第1回北杜市議会定例会にて、所信表明をしました。
市長所信
令和5年 第1回北杜市議会定例会の開会に当たり、私の市政の運営に対する所信の一端を申し述べますとともに、提出いたしました案件について、その概要を御説明申し上げ、議員各位 並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
ふるさと北杜にも、梅の開花や、ふきのとうの芽吹き、道端に咲く小さな花々が咲き始めるなど、春の訪れを感じられるようになりました。
今月10日には、9年ぶりの大雪が降り、中央自動車道や国道20号といった主要な幹線道路の通行止めや、他の道路においてもスリップによる事故や渋滞の発生、また倒木等による停電など、市民生活に大きな影響を及ぼしました。
市としても除雪や融雪剤の散布など対応してまいりましたが、地域においても、除雪に御協力いただき感謝申し上げる次第であります。
自然の猛威に対し、改めて自助、共助、公助の大切さを実感したところであり、今後も、市民の皆様の御理解御協力を得る中で、防災減災に努めてまいります。
今月6日、トルコ共和国において、大規模な地震が発生し、トルコ及び隣接のシリア・アラブ共和国において、多数の死傷者が出るなど、甚大な被害が発生しております。
被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げるとともに、市においても、現在、被害に遭われた方を支援するため、募金箱を本庁舎及び総合支所に設置しておりますので、市民の皆様に御協力を呼び掛けてまいります。
さて、本年度、市職員による服務規程違反や不適切な事務処理など、市民の皆様には、大変御迷惑をおかけいたしました。
市職員は市民の負託に応え、業務に専念することが基本でありますので、綱紀粛正を図り、信頼回復に努めてまいります。
先月24日に、「ウクライナ非常事態庁」の職員の方々が、明野町の「いこいの杜」を訪れ、建機メーカー「日建」様が製造する地雷除去機の実演を視察されました。
当日は、明野保育園の園児が、平和の思いを込めた歌で出迎えをし、ウクライナの職員の方からは、「子ども達の温かい出迎えに大変感謝するとともに、今ウクライナではこのようなおもてなしができない状態なのが残念。平和な日を取り戻したい。」と話されていたのが印象的でした。
ロシアによるウクライナへの侵攻は、原油高、原材料価格の高騰と、身近な日常生活にまで影響を及ぼしております。
ウクライナに一日でも早く平和が訪れるよう、お祈りするとともに、市としても、引き続き可能な限り、協力してまいります。
- 市内団体の受賞
今月13日に、社会資本と関わりを持つ優れた地域づくりの取組として、「甲斐駒清流懇話会」様が、国土交通省の「手づくり郷土賞」に選ばれ、認定証の伝達式が市役所において行われました。
「甲斐駒清流懇話会」様は、昭和34年の台風による土石流災害を語り継ぐため、防災フェアや、砂防校外授業、河川環境の整備などの活動を行っており、その功績が今回認められたもので、長きにわたる取組に敬意を表するところであります。
- 子ども達の活躍
先月18日に皇居宮殿において「歌会始の儀」が催され、一般の入選者として最年少で選ばれた甲陵中学校2年生の小宮山碧生様の短歌が天皇、皇后両陛下の前で詠み上げられました。
甲陵中学校では、令和2年から2年連続で生徒の歌が佳作に選ばれておりますが、今回、初めての入選となりました。
また、昨年12月には、金融広報中央委員会主催の第55回「おかねの作文」コンクールにおいて、甲陵中学校3年生の吉村和夏様が、最高位の賞の一つに当たる特選の「日本PTA全国協議会会長賞」に選ばれました。
甲陵中学校では、近年、生徒の活躍が目覚ましく、市としても誇らしいことであります。
今回選ばれた御本人様を始め、御家族、学校関係者の皆様に敬意を表するとともに、今後の御活躍を期待するところであります。
- 新型コロナウイルス関連
先月27日、国は、新型コロナウイルスの感染法上の位置付けを、本年5月8日から、季節性インフルエンザと同じ、「5類感染症」とすることとしました。
今回の決定により、ようやく平時の日常を取り戻す道筋が見えてきました。
思い起こせば、令和2年2月1日に新型コロナウイルスが指定感染症として位置付けられて以来、3年もの長きわたり、市民生活では、度重なる行動制限や、感染対策、観光客・利用客の減少など、様々な苦難に直面しながらも、市民の皆様の御理解と御努力により、この3年間を乗り越えてこられたものと考えております。
また、医療関係者の方々を始め、高齢者福祉施設、保育園、消防などで働く、エッセンシャルワーカーの皆様におかれましては、気を抜けない日々が続く中、市民の生命、財産を守り続けていただきました。
この場をお借りしまして、市民の皆様の御協力に感謝申し上げます。
アフターコロナを見据え、「第3次北杜市総合計画」、「新・行政改革大綱」に基づく施策を着実に実施し、コロナ禍からのふるさと北杜の再生と、その先にある、市民の皆様が幸せを実感でき、子どもが賑わう夢叶うまちの実現を目指し、行政が一丸となって取り組んでまいります。
- 来年度当初予算の重点施策
1.子育て支援
岸田首相の年頭の記者会見で、今年の大きな挑戦の一つとして「少子化対策」を取り上げておりました。
少子化の問題は待ったなしの課題であり、「こどもファースト」の経済社会を作り上げ、出生率を反転させなければならないとして、「異次元の少子化対策」に挑戦していく決意が示されました。
この発言を受け、これまで本市も含めた、地方が取り組んできた少子化対策に、ようやく国が本腰を入れてきたと感じたところであります。
本市では、本年度から、市政の重点施策に、「子育て支援」を位置付け、「こども政策部」を設置し、子育て応援金制度を創設するとともに、「子育てするなら北杜」宣言を行い、全市を挙げて、子育て支援に取り組んでおります。
来年度においても、引き続き、子育て環境や移住定住、特色ある教育など、「子育て支援策」を充実させるべく、新たな施策を講じ、子育て世代、若者世代に選ばれるまちを目指してまいります。
出会い・結婚支援
本年度、新たな取組として、北杜市、富士見町、原村で構成する、「八ヶ岳定住自立圏」が主体となり、インターネット上の仮想空間である「メタバース」による婚活イベントを実施しました。
このイベントは、行政として、現代の社会のニーズに合った全国初の取組として注目を集めたところであり、効果もあったことから、来年度も、若い世代の出会いの場として実施してまいります。
出産・子育て応援事業
国では、全ての妊婦・子育て家庭が安心して出産・子育てができる環境を整備するため、妊娠期から出産・子育てまで一貫して身近で相談に応じ、様々なニーズに即した支援につなぐ伴走型の相談支援と、妊娠時と出産時にそれぞれ5万円の給付金を支給する経済的な支援を一体的に実施することとしております。
市では、本年度から実施している「子育て応援金」に加えて、本市において安心して出産・子育てができるよう、「出産・子育て給付金」として支給し、より充実した切れ目のない支援を行ってまいります。
子育て支援施設整備事業
子育て世代へのアンケートでもニーズが高かった大型複合遊具を備えた公園や、また雨天でも親子が遊ぶことができる屋内の遊び場を令和6年秋の完成を目指して整備します。
親子が気軽に集い、交流ができる本市の子育て支援の拠点となるよう、今後も施設の周知とともに、整備を進めてまいります。
子育て世代や若者世代に選ばれるまちを目指した新たな支援
移住を検討している若い世代や、進学などにより本市を離れた若い世代から選ばれるまちを目指すため、国の事業を活用する中で、来年度「奨学金返還支援事業助成金」を創設し、奨学金の返還について、5年間で最大150万円を助成してまいります。
この施策により、若い世代の経済的負担を軽減し、将来に対する希望へつなげることや、学ぶ意欲と能力のある子ども達が、安心して勉学に励み、本市の未来を創る人材となることを期待するところであります。
一方、本市では、コロナ禍にあっても転入される方が増加し、昨年中も135人の転入超過となりました。
この流れを止めず、特に、若い世代の方を強力に呼び込むことが重要であり、そのため、来年度から住宅支援の拡充を図ってまいります。
まず、子どもができたことをきっかけに、地方で暮らすことへの関心が高まる中、少しでも本市に転入される子育て世帯の住宅に係る負担を軽減する必要があることから、市内に転入し、民間賃貸住宅に入居する子育て世帯に対し、月額2万円を限度として、家賃の一部を12箇月分補助する制度を創設します。
また、結婚を機に、新生活を始めるに当たり、住居費や引越し費用などの経済的負担を軽減することにより、若者の結婚・転入・定住の増加を図るため、国の事業を活用し、新生活を始める新婚世帯を対象に、家賃や引越し費用などスタートアップに係る費用に対し、40歳未満の新婚世帯については、1世帯あたり最大30万円、30歳未満の新婚世帯は、1世帯あたり最大60万円を補助する制度を創設します。
高校生議会
高校生に本市の市政全般に関心を持ってもらい、若々しいアイデアを提案していただくことにより、本市への郷土愛を育むため、新たに「高校生議会」を実施してまいります。
市内にある3つの高校から参加する生徒を募り、実際の議場を活用する中で、議会の雰囲気を体感していただくとともに、市政についての高校生の柔軟な発想やアイデアを伺ってまいりたいと考えております。
2.産業創出
若い世代、特に女性にとって魅力があり、付加価値の高い働く場の提供に取り組むとともに、新型コロナウイルスの影響や、物価やエネルギー価格の高騰で疲弊している、地域経済に活力を取り戻すため、事業者を強力に支援してまいります。
また、世界を目指した地域産業の成長と、新たな取組にチャレンジできる環境づくりに、官民が連携して取り組んでまいります。
コロナ禍を経て、本市が持つポテンシャルの高さに、様々な方面において注目度が増している中、この機を逃さず、地域経済の更なる活性化につなげていくため、地域課題の解決や、新しい取組に関する起業への支援や、産業における市内への投資拡大を、引き続き重要施策として取り組んでまいります。
企業誘致
産業創出の一番手は、やはり企業誘致であります。
トップセールスによる企業への働き掛けを始め、本市へ進出を希望する企業への対応や、市内事業者の方の新たな取組を支援する未来創造事業費補助金など、引き続き、積極的に取り組んでまいります。
また、市内に進出する企業が負担する一定量以上の水道利用料金に対し助成制度を創設し、更なる企業誘致の促進と上水道の積極的な利用促進を図ってまいります。
小規模商工業者への支援
新型コロナウイルス感染症により、大きな打撃を受けた市内の小規模商工業者の経営安定化を図るため、従来の経営安定化のための借り入れ利子に対する5年の利子補給に、新型コロナウイルス感染症対策貸付に対する利子補給を加え、国や県で実施された3年間の利子補給期間を終えた融資についても、独自に2年の利子補給を行ってまいります。
この事業を通じて、地域経済を支える小規模商工業者の皆様が、コロナ禍からの立て直しを着実に図られるよう、しっかりと支援してまいります。
世界に誇るワイン産地化づくり
近年、本市の自然環境や気象条件を求め、多くのワイン醸造者が参入し、多種多様なワイン作りが行われております。
この環境を国内外に広く発信するためのPR動画を作成するとともに、ワインツーリズムにも資する、市内の醸造用ブドウ畑や醸造所を巡るツアーを行い、地域の特色を生かしたワイン作りの現場を見ていただく機会を設けてまいります。
北杜の個性に溢れる、世界に誇る品質の高いワインを生産する産地を目指し、事業者の皆様と共に取り組んでまいります。
オーガニックビレッジ事業
国が本年度から進めている「みどりの食糧システム戦略」に先んじて、これまでも、市内の多くの農業者の方が有機農業に取り組まれており、市においても「耕す・はぐくむ・チャレンジ北杜プロジェクト」として、本市が誇る「水の山」を次世代に継承するため、有機資源を活用した「循環型農業」を推進してまいりました。
現在、肥料価格の高騰が続いており、市内産のたい肥の需要が高まりつつありますので、引き続き、民間企業の御協力を得ながら、たい肥作りを進め、有効に活用してまいります。
こうした中、本市では、本年度、国の戦略に基づく、「有機農業産地づくり」の事業に、山梨県で唯一採択され、各種の取組を進めているところであります。
持続可能性が問われる中、次世代に向け有機農業を継承し、本市の財産であります「水」を守り生かすことが、私達大人に課せられた使命だと考えておりますので、引き続き、「オーガニックビレッジ事業」を積極的に推進してまいります。
米粉等普及促進事業
世界的に価格の高騰が続いている小麦の代替えとなる米粉については、米どころの本市で生産された米粉の新たな活用による高付加価値化を目指し、「食杜北杜」において、市内の高校生と地域の事業者の皆様により、独自の商品開発を進めてまいります。
また、昨年、高校生が開発した大豆及びそばを活用した商品のPRもしていくなど、今後も、若い世代にも本市が誇る農産物に関心を持ってもらう取組を進め、少しでも、ふるさと北杜の食や農の文化が後世に引き継がれることを期待しております。
観光誘客
新型コロナウイルスの感染拡大により減少した観光客は、「全国旅行支援」の効果もあり、コロナ禍前に迫る観光客数に戻り、市内においても宿泊、観光施設等賑わいを取り戻しているところであります。
また、円安の効果を最大限に活かしたインバウンド観光が、本市における経済の活性化の起爆剤になり、地域経済を大いにけん引していくものと期待できることから、来年度は、本市における「インバウンド誘客元年」として、積極的なインバウンド誘客事業を実施してまいります。
これまで市内に来訪が多かった台湾や、県内への観光客数が多いタイ王国、ベトナム社会主義共和国のアジア3箇国を柱に、旅行誘客イベント、旅行会社などへの積極的な営業活動を行い、国際観光都市への第一歩を踏み出してまいります。
特に近年、人気を集めている、キャンプやクライミング、サイクリングなどのアウトドア関連のアクティビティといった、本市に優位性のある魅力ある情報について、海外の方に広くPRしていくとともに、国内においても、中部横断自動車道の開通による効果を更に拡大させるため、東海地方を中心に、戦略的に情報発信してまいります。
併せて、市内の観光地の活性化を目指し、各エリアの構想の取りまとめや、その推進を図ってまいります。
清里エリアについては、民間による活発な投資活動が行われている中、市としても「清里ルネサンス計画」の策定に向け、引き続き、地域の皆様と共に、検討を進めてまいります。
また、小淵沢エリアについては、本年度中に「北杜市小淵沢エリア活性化構想」の取りまとめを行い、来年度以降は推進体制を組織し、エリアの観光事業者の方を中心に、構想に基づく施策に取り組んでまいります。
輸出の強化
これまでも、本市の魅力ある農産物や商品を国内のみならず海外への販路拡大につなげる取組を進めてまいりました。
こうした中、昨年、台湾への輸出においては、台湾で富裕層向けに店舗を展開している「裕毛屋」様へのトップセールスを行った結果、本年発行された同社の商品カタログに、本市の紹介とともに、本市で生産される日本酒や地ビール、農産物を原料とした加工品が広く掲載され、台湾への輸出が期待できる状況となっているところであります。
来年度も、お米を始めとした農産物を中心に、更なる輸出の強化に向け、台湾を始め、発展が目覚ましい東南アジアの国々について、現地でのトップセールスを行い、積極的に本市をPRしてまいります。
3.行政改革
昨年度策定しました「新・行政改革大綱」に基づき、本年度から様々な検討を進めているところであります。
デジタル時代への対応
国においても「デジタル田園都市国家構想」を掲げており、デジタル実装による地方創生の取組の加速化を図ることとしていることから、本市においても、デジタル技術を活用した、地域特性を活かしたまちづくりの推進による、市民の生活の質の向上を図るため、行政及び地域のDX推進の指針となる「北杜市DX推進計画」の本年度中の策定を目指し、作業を進めてまいりました。
来年度からは、本計画に基づき、本格的に市内企業や行政のDX化に取り組んでまいります。
保育業務のICT化については、保護者の利便性の向上と保育士の業務負担軽減を図るため、国の補助制度を活用し、公立保育園13園に保育業務を支援するICTシステム構築とタブレット端末等の必要な機器を導入するほか、私立保育園等に、同様の経費に対し支援を行ってまいります。
また、市民からの問い合わせや庁内部署間の問い合わせについて、新たに「AIチャットボット 問い合わせ自動応答システム」を導入します。
来年度は庁内部署間の一部の業務からのスタートとなりますが、順次対応業務を増やし、市民の皆様が使いやすい環境を整えてまいります。
さらに、職員が多くの業務時間を費やしている、審議会等の議事録の作成については、「AI文字起しシステム」を導入して、作成に係る時間を短縮し、業務の効率化を図ってまいります。
また、テレワーク及びWeb会議に対応可能な端末を導入し、効率的な地域住民や外部事業者とのコミュケーションの向上についても取り組んでまいります。
一方、デジタル社会のパスポートとされるマイナンバーカードの利用機会の創出については、現在、本庁舎に設置している「証明書発行自動交付機」の更新に併せ、マイナンバーカード対応型の自動交付機を導入し、発行できる証明書の種類についても増やしてまいります。
加えて、マイナンバーカードの交付率向上を目指し、市内郵便局等で交付申請ができるよう体制を強化してまいります。
- 安全安心な市民生活を支えるインフラに係る新たな取組
市道の機能向上に向けた重点的な整備の実施
身近なインフラであります市道については、現在、雑草の繁茂に伴う道路の有効幅員の減少や、土砂等による排水路の機能低下など、本来の道路機能が保たれていない状況があり、また、老朽化に伴う舗装の陥没、ひび割れなど通行に支障をきたしている箇所も多く、市民からの通報や行政区からの改善要望等が寄せられており、道路瑕疵も発生しております。
こうした状況を踏まえ、来年度、ドライブレコーダーを活用した画像解析による道路状況をAIが診断する、管理システムを導入し、迅速な道路状況の把握を行ってまいります。
加えて、主要な市道について、除草や側溝清掃、張り出した枝の処理などの整備を、来年度から3年間、総額約3億円の予定で、重点的に実施し、道路の機能向上や景観形成を図ってまいります。
消防署所の整備
現在、「峡北広域行政事務組合消防本部」において、令和3年7月に策定された「峡北消防本部消防署所適正配置計画」に基づき、市内の消防署所の建替えと再編を進めております。
昨年度、「北杜消防署」の建替えが完了し、残る、「須玉分署」、「高根分署」、「小淵沢・白州統合分署」についても、新庁舎の建設場所を決定し次第、来年度以降、庁舎の建設工事に順次着手していく予定となっております。
消防庁舎の耐震化や設備の更新を行うことにより、「峡北消防本部」の消防・防災機能が、更に強化されるものであり、今後も、市民の安全安心な暮らしを守るため、消防・防災施策の充実を図ってまいります。
中部横断自動車道
昨年、南部区間の開通により、山梨、静岡間の利便性の向上から、企業誘致や観光面において、顕著な効果が出ているところであります。
残る北部区間の長坂・八千穂間についても、人や物の新たな流れを作り、地域経済や文化等、様々な面において活性化が大いに期待できるとともに、防災面においても沿線の住民の「命の道」となることから、早期事業化を実現していかなければなりません。
昨年、市では「中部横断自動車道北部区間広域連携懇話会」及び「北杜市中部横断自動車道建設促進期成同盟会」を設立し、事業の促進、早期事業化を目指し、皆様の思いを国や県に届けるため、要望活動等を行ってまいりました。
今月7日には、「期成同盟会」の役員会を行い、今後の事業促進に伴う国や県からの情報収集、本会の活動内容などを検討したところであります。
今後も、関係者の皆様の御意見を伺いながら、国や県にその声を届けるとともに、早期事業化に向けた機運を高める取組を継続してまいります。
- スポーツ振興に係る施設整備
八ヶ岳スケートセンター
昨年11月20日から今月11日まで、84日営業し、市内小中学校スケート教室や市内外からの利用者など、約1万2千人と多くの方に御利用いただきました。
また、スケートセンターの運営費として、昨年11月から「ガバメントクラウドファンディング」を実施したところ、約1,300万円もの御寄附をいただきました。
御支援くださいました皆様には感謝を申し上げます。
今後も、「クラウドファンディング」の活用など、安定したスケートセンターの運営に努めてまいります。
一方、年間を通じて施設を活用できるよう、リンク内側の整備を進め、関東最大級のスケートボードパークとするほか、インラインスケートコースやリンク内側へのアクセスを容易とするための地下通路を整備し、「スケートの聖地」として、令和6年中のフルオープンを目指してまいります。
スケートセンター周辺施設と連携を図りながら利用者の増加を図るとともに、本市のスケート文化の継承とスケートリンクを活かしたまちづくりに取り組んでまいります。
長坂総合スポーツ公園
令和2年度に人工芝へ整備を行ったことにより、通年利用が可能となり、コロナ禍にあっても利用者が大幅に増加したところであります。
今後、更なる利用者の利便性向上とスポーツ大会の誘致を積極的に進めるため、広域的な防災拠点機能も有したクラブハウスを来年度整備してまいります。
高根総合グラウンド管理棟
高根総合グラウンド管理棟のトイレについても、老朽化が進んでいることから、トイレを一新し、利用者が安全、安心に利用できる施設環境を整えてまいります。
- ゼロカーボンシティを目指した取組
脱炭素先行地域への応募と各種取組の推進
環境省が募集を開始した「第3回脱炭素先行地域」について、本市でも今月17日に申請を行ったところでありますが、現在、エネルギー価格が高騰している中、地域で使う電気は地域で作ることが、持続可能なまちを目指す上では、大変重要なことであります。
市では、再生可能エネルギーの活用による、地産地消を長期にわたり持続可能な形で推進していくため、FIT終了後を見据えた「北杜サイト太陽光発電所」の活用や、太陽光パネルのリユース・リサイクルの環境整備等を進めるとともに、本市の豊かな水資源を最大限有効活用した、小水力発電の適地調査を行い、小水力発電の設置拡大も図ってまいります。
公共施設への太陽光発電設備導入
本年度、市役所本庁舎の屋根上に「PPAモデル」による太陽光発電設備を導入したところであります。
今後、公共施設に「PPAモデル」を導入するための調査を行い、可能な限り多くの公共施設に整備促進を図り、安価な電気代の購入により生じた財源の有効活用についても検討してまいります。
- 飛躍の年を目指して
来年は、北杜市が誕生してから、20年となります。
3年にもわたるコロナ禍から、ようやく出口が見え始めた中、20年の節目の年を迎えることとなります。
「北杜は一つ」の機運を醸成しつつ、市民皆様が幸せを実感できる、持続可能なまちの実現を目指して、各施策に果敢にチャレンジし、北杜市にとって飛躍の年となるよう、全力で市政に取り組んでまいります。