一般社団法人北杜市観光協会に対する特別監査の結果について

令和2年2月13日、一般社団法人北杜市観光協会から、平成27年度から令和元年度にかけて、事務局長による不適切な会計処理が行われていたとの報告を受けたとから、市が財政的援助を与えている事業が適正に執行されているか確認するため、令和2年3月3日、代表監査委員に対して地方自治法第199条第7項に基づき「一般社団法人北杜市観光協会に対する特別監査」を依頼し、令和2年11月17日付で結果報告書が提出された。

監査結果報告書(抜粋)

1.監査の範囲

一般社団法人北杜市観光協会において、平成27年度から令和元年度にかけて、不適切な会計処理が行われたことが判明したことにより、平成27年度から令和元年度において、北杜市が一般社団法人北杜市観光協会に支出した補助金、交付金その他の財政的支援を与えているものの出納その他の事務の執行で、当該財政的援助に係るものまた、令和元年度において、地方自治法第244条の2第3項の規定に基づき公の施設の管理を行わせているものの会計処理について、令和2年3月3日付け北杜観光第669号で地方自治法第199条第7項に基づく市長からの監査依頼があり、次の者を対象に監査を行った。

2.監査の対象

(1)一般社団法人北杜市観光協会(以下「観光協会」という)

(2)産業観光部  観光課

(3)北杜未来部  政策推進課

(4)建設部  まちづくり推進課

(5)高根総合支所  地域振興課

(6)大泉総合支所  地域市民課

3.監査の対象期間

平成27年度~令和元年度  事業執行状況

4.監査対象団体の概要

団体・法人名  一般社団法人北杜市観光協会

5.監査の結果

1.指摘事項

  1. 平成27年度旅行資源発信ガイドブック制作業務委託に不適切な事務処理があった。
    1. 観光協会において、成果品が作成されていない。
    2. 市観光課において、検収調書が成果品を確認していないにも関わらず作成され2,050,272円が支払われた。
  2. 令和元年度観光振興事業費補助金(清里高原つつじ祭り)と観光誘客及び観光PRキャンペーン業務委託において不適切な事務処理があった。
    1. 観光協会が印刷代64,800円を2つの事業の実績として計上し、市観光課も二重に補助金等を支払っていた。
  3. 観光協会の令和元年度決算において、平成30年度繰越金の金額が合わないことが確認された。

6.まとめ

平成27年度から令和元年度において、北杜市が一般社団法人北杜市観光協会に支出した補助金、交付金その他の財政的支援を与えているものの出納その他の事務の執行で当該財政的援助に係るもの、また令和元年度において、地方自治法第244条の2第3項の規定に基づき公の施設の管理を行わせているものの会計処理について、契約書、協定書、関係法令等に則り、適正に行われていたか確認するために伝票、申請書、報告書、通帳、総勘定元帳などを照合したが、多くの事業で領収書、請求書が無く、また観光協会への事情聴取では、「前局長がしたことで不明」との回答が多く、支出に関することや事業に関する手続きなどを観光協会職員が1人で行い、自らの判断で観光協会の補助金等を含む、すべての支出が可能な状態になっていたことで、会計管理などが適切に処理されていなかった。

 

また、決算においては、金額が修正されるなど、観光協会の会計等に関する管理体制が不十分であり、ずさんな会計処理が行われていたことが、事情聴取のなかでも明らかになり、観光協会の管理体制への意識が著しく欠如していたことも併せて確認できた。

 

このため、観光協会は、会計処理における透明化とチェック体制の見直しを図り信頼回復のために尽力願いたい。

市観光課においては、成果品が無いにも関わらず委託費2,050,272円を支出したことは、市全体に係わる重大な過失ともいうべき事態であり、このことは、観光協会との信頼関係のもとで事業実施をしてきたことが推測されるが、管理監督責任は免れないものである。

 

今後このようなことが起こらないよう事業執行においては、慎重に精査し課内で連携を図るなかで行われることを望む。

また、今回の監査において、使途不明金とされている2,050,272円と二重に支払いがされている64,800円については、市と観光協会が協議するなかで対応されたい。

 

今後においても、観光振興事業は北杜市に欠くことが出来ないものであることから、市と観光協会の更なる連携により今まで以上に観光振興が図られることを期待したい。

また、監査結果は市民に周知されることを願いたい。

市の対応について

  • 一般社団法人北杜市観光協会においては、支出に関することや事業に関する手続きなどを観光協会職員が1人で行い、自らの判断ですべての支出が可能な状態であったことから、会計管理などが適切に処理されず、また会計等に関する管理体制も不十分であり、ずさんな会計処理が行われていたという状況から、一般社団法人として、確実な会計処理や監査体制が図られるよう通知する。
    市においては、成果品が無いにもかかわらず、信頼関係のもと委託費を支出したことは重大な過失であるとの指摘から、チェック体制及び事務手続きについて再確認するとともに、委託事業においては進捗管理と確実な検査・検収を徹底し、適切な事業執行を図る。

 

  • 平成27年度旅行資源発信ガイドブック制作業務委託金2,050,272円については、ガイドブックが制作されていないことが確認されたため、業務委託契約書第8条の規定に基づき、委託金全額の返還を請求する。

 

  • 令和元年度観光振興事業費補助金(清里高原つつじ祭り)と観光誘客及び観光PRキャンペーン業務委託における印刷代(広告費)64,800円の二重計上については、印刷代金の振込手数料330円を加えた65,130円の返還を請求する。

 

  • 北杜市の観光振興を図るうえで、一般社団法人北杜市観光協会との連携は欠くことが出来ないものであり、今後ともより一層情報交換を密にしながら、今まで以上に観光誘客の取り組みを進めていく。

 

カテゴリー

お問い合わせ

産業観光部 観光課

電話:
0551-42-1351
Fax:
0551-42-2335

この情報は役に立ちましたか?

お寄せいただいた評価は運営の参考といたします。

※必須入力
※必須入力
※必須入力

観光情報