迅速な情報提供と情報の透明性を図るため、記者会見を開催しました。
記者会見の内容は、以下の通りです。
1月1日発生能登半島地震について
先月1日に発生しました能登半島地震では、震災によって亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に見舞われ方に改めてお見舞い申し上げます。
市では、石川県七尾市からのトイレトレーラーの派遣要請を請け、先月3日にトイレトレーラーと給水用のタンク車を派遣し、避難所へ設置しました。
現地では、トイレが不足する中、避難者や周辺住民の方々に、大変喜ばれているところであります。
先月25日には、県内で避難生活を送る日本航空高校石川の野球部に市産のお米300キログラムを送りました。
同校は来月甲子園球場で行われます「第96回センバツ高校野球大会」への出場が決まりましたので、北杜のおいしいお米を食べて、元気に晴れの舞台での活躍を期待しております。
今回の地震を受け、改めて平時での防災・減災の実効性のある取組や、インフラの整備や長寿命化がいかに重要であるかを痛感したところであり、来年度当初予算においても、関連予算を計上したところであります。
まず、市内のインフラを始めとする強靭化の取組を強力に進める必要があることから、今回の地震を踏まえた中で、次期「国土強靭化地域計画」の策定を進めてまいります。
また、能登半島地震では家屋の倒壊が死因の9割を占めたことを受け、市内の木造住宅の耐震化を促進するため、耐震改修や建て替えの補助限度額を引き上げるとともに、新たに耐震シェルターの設置に対しても補助を行うこととしております。
今回の地震では、道路の損傷などにより、避難や支援物資の搬送が極めて困難になりました。
本市においても、市内外に通じる道路は、市民の命に係わることから、「中部横断自動車道北部区間」の早期整備を求めていくとともに、市道の長寿命化や河川の改修、急傾斜地崩壊対策、ため池の耐震改修など、災害に備えた安全・安心なインフラ整備に努めてまいります。
加えて、地域防災力の中核をなす消防団についても、消防団員の処遇改善の大幅な見直しを図り、消防団の魅力と消防団員の活動意欲を高めるなど、本市の防災・減災力の強化に努めてまいります。
市制施行20周年について
さて、本市は、本年11月1日に市制施行20周年を迎えます。
市民の皆様と共に、この記念すべき年を祝えられるよう、各種事業を実施してまいります。
市制20周年記念式典では、姉妹都市の大韓民国抱川市から交流団を招聘するなど、盛大に開催するほか、20周年記念事業として、これまでの本市の歩みを振り返る記念誌の作成や、特別番組の制作、芸術・文化・スポーツの記念イベントの開催、また、本市で初めて開催する「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」の実施、そして、子どもからお年寄りまで多くの市民が集い「北杜は一つ」の思いを共有するための打ち上げ花火大会を開催してまいります。
そのほか、来年度は、南アルプスユネスコエコパークが登録決定から10年、甲武信ユネスコエコパークについても5年を迎えることから、本市の20周年と合わせて各種催し物を開催してまいります。
こうした事業を通じて、市民の皆様のシビックプライドの醸成を図りながら、本市の新たな未来を皆様と共に築いていくことができるよう、全庁を挙げて、20周年の機運を高めてまいります。
令和6年度当初予算編成について
令和6年度当初予算編成につきまして、新規事業を中心に、その一端を御説明申し上げます。
市長就任から4年目となる令和6年度は、「北杜新時代・幸せ実感・チャレンジ北杜」を市政推進の基本に、「子どもが賑わう夢叶うまち」、「誰もが幸せを実感できるまち」の実現を目指す「第3次北杜市総合計画」を成長戦略として、子育て支援、産業創出、移住定住など、若い力を呼び込み持続可能な地域づくりを進める施策を引き続き強力に展開してまいります。
併せて、「新・行政改革大綱」に基づき、限られた財源と人材を有効活用する「選択と集中」、「重点化」を基本としながら、ふるさと納税などによる財源確保に努めるなど、未来につなぐ強固な行政経営基盤の構築にも全力で取り組んでまいります。
はじめに、子育て支援の新たな取組につきましては、本市の少子化は待ったなしの状況であることから、その解決策の一つとして、今回、学校給食及び保育園副食費の恒常的な無償化を実施してまいります。
これまでも、コロナ禍や物価高対策として、短期的に無償化を実施してまいりましたが、今回、恒常的な無償化実施が本市の子育て支援策に加わることにより、全国でもトップレベルの子育て環境が整うことから、若者世代、子育て世代の皆様にから選ばれるまちとなるよう、積極的にPRしてまいります。
また、本市の魅力を広く全国に発信する新たな取組として、市内外の若い世代をターゲットにした情報発信や、「北杜ファン」を創出するため、国の交付金を活用した「北杜デジタルファンクラブ創出プロジェクト」に取り組んでまいります。
その他、子育て支援の新たな取組としては、母子保健手帳アプリの導入や、不登校対策として「校内支援教室」の設置や、特色ある学校づくりのためのコミュニティ・スクールの拡大、また、施設面では、「白州保育園・西部こども園」や「白州小学校」の大規模改修など、安全な環境で安心して学べる環境づくりを実施してまいります。
次に、産業創出の取組についてであります。
新たな経済への流れの中、本市への人や資本を呼び込むため、地域資源を活かした高付加価値化への取組を進めてまいります。
はじめに、観光振興と輸出強化の取組についてであります。
先月、「タイ国際協力開発機構」の派遣プログラムにより、アンチャリーポン・パリサウォンさん(通称「ビウ」さん)を、本市の観光コーディネーターとして任命しました。
この受入れは、全国で初めて1年という長期間の受入れとなりますので、この貴重な機会を最大限活用し、タイへの本市の観光の魅力発信を行って誘客につなげてまいります。
また、今月4日から8日にかけて、バンコク市内の主要な旅行会社や関係機関に、トップセールスを行ってまいりました。
現地では、本市の魅力を紹介する中で、対日インバウンドや特産品の輸出など、大いに可能性がある地域であるとのお話をいただきました。
帰国後、早速、バンコク市内の旅行会社から、観光施設等についての問い合わせが入るなど効果が出ており、市内観光地の視察と各宿泊施設等との具体的な打合せに入ったところであります。
こうしたインバウンド誘客や輸出強化の取組を来年度も引き続き実施し、地域経済の活性化につなげてまいります。
また、観光面におきましては、観光地であります清里、増富、小淵沢の各エリアの活性化に向けた取組の実施や、ワインの産地化や北杜の水を活かした米、野菜づくり等のブランド価値を高める取組を進めてまいります。
農業分野においては、担い手の高齢化などよる労働力不足が深刻な課題となっていることから、先進技術の活用による「スマート農業」の普及促進を図るため、農業用ドローンやリモコン草刈機などのスマート農業機械等の導入を支援する制度を創設いたします。
また、林業分野においては、北杜市産材の魅力発信や市内の林業・森林産業及び住宅産業の活性化を目的に、来年度、森林環境譲与税を財源に、生産から利用までのサプライチェーンを作り、活用できる仕組みを構築するための支援制度を創設してまいります。
次に、行政改革の取組としては、行政や地域におけるデジタル化を進め、市民サービスの向上と行政事務の効率化を図るため、証明書などの申請時に、氏名等の記載の負担を軽減する「書かない窓口」の整備や、担い手の確保に取り組むスマート農業を推進するための助成制度の創設、マイナンバーカードの普及促進などに取り組んでまいります。
また、財源確保と地域経済の活性化を図るため、ふるさと納税や企業版ふるさと納税については、20億円を目標に、予算計上額以上の寄附が得られるようPRや返礼品の充実に努めてまいります。
その他の主な施策につきましては、まず、ゼロカーボンシティに向けた取組では、「北杜GX推進プロジェクト」として、本年度から、約100箇所以上の公共施設の屋根への太陽光発電設備設置に向けて、PPAの導入を本格的に進めているところでありますが、来年度、電気料の削減を市民に還元するため、エネルギー価格の高騰の影響を受ける後期高齢者世帯への最大1万2千円の支援金を新たに支給してまいります。
図書館再編につきましては、図書館機能の充実により文化価値の向上を図るため、3館の図書館の機能強化を行うとともに、残りの5館については、コミュニティ・コモンズとして、図書館サービスポイントとしての機能を備えるほか、地域住民の情報共有、相互支援、意見交換の場としての活用ができるよう、本年10月の利用開始に向けて、準備を整えてまいります。
スポーツ施設の整備では、「八ヶ岳スケートセンター」では、年間を通じた利用ができるよう、リンク内側にスケートボードやインラインスケート、ミニスケートリンクの整備を進め、本年10月のフルオープンを目指してまいります。
また、白州体育館にあります、県内唯一のサンドバレーコートについては、全国大会に使用できる環境を整えるとともに、より多目的に活用できるよう、サンドグラウンドを追加整備し、更なるスポーツ振興や青少年育成に活用してまいります。
福祉分野では、来年度から65歳以上を対象に、生活習慣病の改善を目的とした事業への参加者にポイントを付与し、一定ポイント取得者の「がん検診」を無償化とする「健康づくり増進事業」を実施してまいります。
また、健康診断の受診率が低く、「がん」による死亡率が最も高い40歳から64歳までを対象とした「がん検診」の無償化を令和7年度からの実施に向けて検討を開始し、基本健診の受診率の向上及び「がん」の早期発見・早期治療につなげてまいります。
以上、「市民一人ひとりが幸せを実感できるまち」の実現に向け、来年度も全力で取り組んでまいります。
定例会の会期について
さて、本定例会の会期は、2月20日から3月15日までの25日間で、13日に代表質問、14日に代表質問と一般質問を両日とも午前10時から予定しています。
提出案件は、報告案件1件、承認案件1件、補正予算案件9件、条例案件12件、当初予算案件12件、その他案件2件、同意案件3件の計40案件であります。
質疑応答
記者
副食費無償化の拡充について
これまではコロナ禍で、臨時的に措置していたとおもうが、具体的にどのようなことを行っていたのか。
こども政策部長
今回と同じく第1子のお子様の副食費を無償化しておりました。また、本市に住所をおく園児が、他の私立保育園に通ってくる場合についても副食費を補助することをしています。
4月からは期限を定めず事業を継続してまいります。
記者
今まで臨時的に行ってきたが、当初予算からは第2子以降の子供に加えて、第1子も副食費の無償化を公立市立ともに恒久的にやるということでいいですか。
子ども政策部長
その通りです。
記者
保育料第2子以降無償化というのは?
こども政策部長
これは以前から行っている事業です。
記者
第1子は無償化ではないですね?
こども政策部長
その通りです。3歳以上は国の制度です。
記者
副食費については全員無償化になりことはわかりましたが、他の自治体では取り組んでいますか?
子ども政策部長
手元に資料がなく、すべては把握していませんが副食費について無償化している自治体は少ないと承知しています。
市長
給食のお米については、金芽米という栄養感の高いお米を主食として提供しています。
記者
主食は、私立にも提供していますか?
こども政策部長
私立は違います。
記者
太陽光発電PPA事業や新エネルギー会社の設立とあるがどういった事業か。
市民環境部長
GXプロジェクトの中の太陽光発電PPA事業については、100を超える北杜市の環境の良い公共施設の屋上に太陽光パネルを設置するものですが、PPA事業ですので民間の企業が設置し、発電された電力を使用させていただき、低コストで支払いを行うという流れになっております。
新エネルギー会社につきましては、昨年から着手しておりましたが、こちらも民間の企業・事業者に北杜市内で新会社を立ち上げていただくプロジェクトになっております。現時点では事業者が固まっていませんが、今後事業を加速させていきたいと考えております。
加えて、本年6,300万円という予算を計上しましたが、電気量が高騰していることから後期高齢者世帯を対象に、1世帯あたり12,000円を上限に支援を行っていきたいと考えています。
記者
新規事業がたくさん掲載されているが、この中で他の自治体でやっていない取り組みがあればご紹介いただきたい。
北杜未来部長
各部局にまたがる内容になり、内容が多岐にわたるので後ほど財政課の方でお答えさせていただきます。
市長
今年は20周年ということもありますが、本市はお米が特産品でもありますので、今年米食味分析鑑定コンクール国際大会が北杜市で開催されます。この大会には世界から沢山のお米が出品されNO1を決める国際大会になります。
記者
一般会計予算規模は過去最大ですか。
財政課長
過去から2番目です。
記者
12月議会で子どもランドについては経費を削除、見直しでしたが今年6度予算では入っていないでよろしいか。
令和6年度はどうしていくのか。
財政課長
子どもパークは繰り越し明許にしたため令和6年度については計上していません。
今年度はゼロベースです。