本市では、合併前の旧8町村の時代から、公共サービスの需要に応じて、学校、市営住宅、観光施設等の「公共施設」を整備し、市民生活の向上に大きな役割を果たしてきました。
一方で、市民一人当たりの施設保有面積(延床面積)は、県内他市と比べても2倍以上を有しており、多くの類似施設を抱えている現状にあります。
多くの公共施設は、近い将来、一斉に更新時期を迎えることになりますが、今後、厳しい財政状況が予想される中で、既存の公共施設をすべて維持していくことは、極めて困難となることが見込まれます。
これらの課題を解決していくため、私たちは、これまでの「あれも、これも」の発想から転換し、本当に必要な施設を見極めながら、効率的に利用できるよう、複合化や統廃合といった「再編」を進めていくことが求められています。
このような状況の中、本市では、本年度、個々の施設の適正なあり方や将来の方向性を示す「北杜市公共施設個別施設計画」を策定します。
市民の皆さまとともに、本当に必要な施設を見極めながら、効率的に施設を利用できるよう、施設の複合化や統廃合など再編を進めていきたいと考えています。
3 公共施設の改修や建替えには、どれくらいの費用が必要なの?
【概要版】これからの北杜市の公共施設について (PDF 702KB)
1 北杜市にはどれくらいの公共施設があるの?
- 施設数 362施設
- 延床面積 40万8,125.91平方メートル
- 市民1人当たりの延床面積 9.09平方メートル(県内平均の約2.1倍 県内1位)(人口同規模市平均の約1.6倍)
2 公共施設の老朽化はどれくらい進んでいるの?
3 公共施設の改修や建替えには、どれくらいの費用が必要なの?
本市が、保有しているすべての公共施設を改修・建替えするための費用を試算したところ、今後30年間で約1,112億円(一年あたり約37億円)が必要となります。直近10年間における公共施設の整備・改修費用は、一年あたり17億1,000万円であるため、およそ2.2倍の費用が必要になります。
4 今後の人口や財政状況はどうなっていくの?
人口と年齢構成
本市の人口は減少傾向にあり、令和22(2040)年には約3万4000人まで減少することが見込まれています。人口減少と少子高齢化が進行することで、令和12(2030)年以降、老年人口(65歳以上)が生産年齢人口(15歳から64歳)を逆転し、高齢化率は50%を超えるとされています。
財政
地方交付税の削減や、人口減少と少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少による税収減により、さらに厳しい財政状況となることが見込まれます。
5 なぜ公共施設の見直しが必要なの?
今後、人口減少と少子高齢化の進行による市税等の減収など厳しい財政状況が予想される中で、すべての公共施設を現在と同じ規模で維持していくことは極めて困難です。本市の公共施設の多くは合併前に整備されているため、目的が類似する施設が多く存在しており、施設の複合化や統廃合など再編を積極的に進め、公共施設の最適化を図る必要があります。
そこで、本市ではインフラを含む全ての公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進していくため、平成29年3月に「北杜市公共施設等総合管理計画」(計画期間:令和4(2022)年度から令和33(2051)年度)を策定しました。
(詳細記事:北杜市公共施設等総合管理計画~公共施設の適正管理と最適配置に向けて~)
総合管理計画で示した公共施設等の管理に関する課題と目標は以下のとおりです。
公共施設等の管理に関する課題
- 施設の老朽化の進行
個々の施設の適正な「あり方」や「方向性」を示す「北杜市公共施設個別施設計画」を令和5年度に策定します。
計画期間は、公共施設総合管理計画の計画期間である令和33年度(2051年)までの28年間とします。
現状の公共サービスを維持しつつ、「類似機能共有化(例:複数の学校機能を一つの学校に統合)」「複合化・多機能化(例:ホール、図書館、児童館を一つの施設に集約)」などの方策を実施し、公共施設の総量を縮減していきます。