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北杜市の文化財紹介(1)~(5)

  1. (1)国指定史跡 金生遺跡
  2. (2)北杜市指定史跡 獅子吼(ししく)城跡
  3. 獅子舞70年ぶり復活へ第一歩
  4. (3)国指定天然記念物 山高神代ザクラ
  5. (4)国指定重要文化財 八代家住宅
  6. (5)国指定天然記念物 美し森の大ヤマツツジ

(1)国指定史跡 金生遺跡

所在地 北杜市大泉町谷戸
掲載:広報ほくと2004 12月号 No.2 p.17

縄文時代の人々の願い、祈りにふれる

金生遺跡

金生遺跡は大泉町谷戸に所在する縄文時代後~晩期の遺跡で、当時の住居跡のほかに墓の跡、祈りを捧げるために造られた祭壇などが見つかり、昭和58年に国の史跡に指定されています。
金生遺跡からはたくさんの土器や石器などの普段の生活に使われる道具のほかに、石棒や石剣、土偶といった祈りの時に使われる道具、耳飾りやヒスイなどで作られたペンダントなども発見されています。これらの出土品は北杜市考古資料館に展示してあります。
また、遺跡の一面に焼けた獣の骨が散らばり、食べるためばかりではなく、祈りに捧げるために獣を使ったのだと考えられています。中には直径1mほどの穴の中に焼けたイノシシの子供の下あごの骨だけを100頭分以上も詰めたものもありました。この遺跡から眺める冬至の頃の落日は甲斐駒ヶ岳山頂に落ち、ちょうどそのころに人々がこのムラに集まり、祈りを捧げたものだと考えられます。
冬至の落日は午後3時45分ごろです。みなさんも遺跡を訪ね、縄文時代の人々の思いにふれてみませんか。


(2)北杜市指定史跡 獅子吼(ししく)城跡

所在地 須玉町江草5340
指定年月日 昭和63年3月18日
掲載:広報ほくと2006 3月号 No.17 p.15

ししく城跡1

根古屋神社の大ケヤキの裏山にあたります。集落から比べて80mほどの高さがある急峻(きゅうしゅん)な独立した山で、山頂を中心に多くの郭(くるわ)(建物を置くため等に人工的に削平された平場)が配置されています。この城の大きな特徴は自然石を利用した石積み、石塁で巧みに郭を構築していることで、場所によっては石で全面覆われているようにも見え、見る者を圧倒します。
この城は眼下に流れる塩川、これに沿って延びる小尾街道を押さえる重要な城でした。この城に関する史料の初見は『高白斎記(こうはくさいき)』永正六(1509)年の条で、「十月二十三日、小尾弥十郎江草城ヲ乗取」と書かれています。また、武田氏滅亡後に甲斐国の領有をめぐって徳川氏と小田原に本拠を置く北条氏の争った天正壬午(てんしょうじんご)の戦いでも主要な攻防が行われた城で、北条氏が押さえた後、服部半蔵率いる伊賀組の活躍により落城したという歴史があります。
冬は山城を見学するには絶好の季節です。夏の時期には鬱蒼(うっそう)と茂った草木で見えなかった遺構が良く見え、新たな発見があるかもしれません。


ししく城跡2ししく城跡3

獅子舞70年ぶり復活へ第一歩

掲載:広報ほくと2005 2月号 No.4 p.20

獅子舞

明野町上神取地区の道祖神祭りで1月10日、有志5名により獅子舞が奉納されました。祭りでは毎年ご神木の「おやなぎさん」を作って道祖神に奉納していますが、かつては獅子舞も行われていたようです。獅子舞の歴史は明治18年から始まり、大正・昭和初期の相次ぐ大戦のなかで衰退してしまいました。今回の獅子舞奉納はおよそ70年ぶりに復活させたものです。
上神取地区では以前にも獅子舞復活への動きがありましたが残念ながら奉納には至りませんでした。しかし平成16年に明野歴史民俗資料館が開催した獅子舞教室をきっかけに、須玉町神戸地区の獅子舞保存会の方々から舞を習い、独自に練習を重ねた努力もあって習得することができました。来年はメンバーが増える予定です。獅子舞の復活で地域の活力もさらに盛り上がりを見せているようです。


(3)国指定天然記念物 山高神代ザクラ

所在地 武川町山高2778
指定年月日 大正11年10月12日
掲載:広報ほくと2005 3月号 No.5 p.18

山高神代ザクラ

山高神代ザクラ(新規ウィンドウで開く)は北杜市を代表するシンボルの一つです。樹種はエドヒガンで、幹周は根元で12.78mを測る日本を代表するサクラの巨樹でもあります。この神代ザクラは岐阜県本巣市(旧根尾村)の根尾谷薄墨ザクラ、福島県三春町の三春滝ザクラと併せて日本の3大ザクラとも称されています。開花時期は例年4月上旬で、今年も開花が心待ちにされます。
ところで、このサクラは樹齢が1,800年ともいわれる古木で、年々樹勢が衰え、昭和23年には「寿命はあと3年」と言われたこともあります。そのため、旧武川村では神代サクラの南側の村道(当時)の迂回路の整備に取り組むなど村を挙げて樹勢回復に努めてきました。また、平成14年度からは4年計画で土の入れ替えなど大規模な樹勢回復工事に取り組んでいるところでもあります。
樹高30m、枝張り30mとも言われた往時のような姿は二度と見ることはできませんが、北杜市のシンボルとして、子孫に大切に守り伝えたいものです。
(写真は明治40年4月撮影)


神代ザクラの取材基準について

神代ザクラの取材等については、樹勢回復途上の神代ザクラを適切に管理するために次の基準を設けました。皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

  • 保護柵内での撮影等については原則禁止とする。但し、学術的内容、教育的内容のものについては申し出の都度個別に審査する。
  • ライトアップについては発動機等を用いた大規模なものは樹勢回復について一定の成果が検証されるまでの間、原則禁止とする。
  • その他、保護柵外で行われる措置についても樹勢に影響を及ぼす行為、見学者に影響を及ぼす行為等はこれを禁止する。

取材等について、ご不明、ご不審の点は北杜市教育委員会学術課文化財担当(TEL0551-42-1375)までお問い合わせください。

(4)国指定重要文化財 八代家住宅

所在地 明野町上手1870
指定年月日 昭和51年5月20日
追加指定 平成6年2月20日
掲載:広報ほくと2005 5月号 No.7 p.16

八代家住宅

江戸時代後期に建てられた八代家住宅は国指定重要文化財建造物です。八代家は今から約二百年前の文化5年(1808)に建てられました。主屋は大きな入母屋造りの茅葺屋根と田の字形の間取り、広い土間をもち、峡北地域の民家の典型的な姿を示しています。保存状態がよく、建築意匠も優れていることから、昭和51年に重要文化財に指定されました。平成6年には長屋門、蔵3棟と敷地などが追加指定され、敷地全体が文化財として保護されています。平成12年度から平成15年度にかけて、長屋門と蔵3棟の大規模修理が施され、真っ白な美しい漆喰塗りの壁がよみがえりました。八代家住宅は個人所有であるため、自由に見学頂くことはできませんが、毎年11月3日の文化の日には一般に公開しています。また公民館活動など団体で見学を希望される場合は、学術課文化財担当(電話0551-42-1375)までお問い合わせください。


(5)国指定天然記念物 美し森の大ヤマツツジ

所在地 大泉町西井出字石堂殿上
指定年月日 昭和10年6月7日
掲載:広報ほくと2005 6月号 No.8 p.18

大ヤマツツジ1

八ヶ岳の中腹、標高1,450mほどの美森を中心としたこの地域にはレンゲツツジ、ドウダンツツジ、サラサドウダンツツジなどが多く、ツツジ類の名所として知られてきました。ツツジ類は日当たりが良く、風通しの良い、栄養分の少ない酸性土壌を好んで自生します。この木は一本のツツジとしてはその中でも規模が特に大きく、美しいことから昭和10年6月7日に国指定の天然記念物として指定されました。


大ヤマツツジ2

残念ながら老衰による経年の衰弱に加え、平成8年の冬の異常低温などにより株の西半分が枯死してしまいましたが、残された枝から往時の姿を偲ぶことができます。例年の開花時期は6月中~下旬です。(5月頃から)新緑の美しい季節です。みなさんも八ヶ岳高原に出かけてみませんか。


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お問い合わせ

教育委員会事務局組織 学術課

電話:
0551-42-1375
Fax:
0551-32-6497

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