秋のイベント、ほくとトラベルウォーク・小淵沢エリアの ~馬とふれあう信玄棒道ウォーク~ で”馬のまち祭り”が同時開催されました。
馬のまち 小淵沢
小淵沢が”馬のまち”と呼ばれる理由はいくつかありますが、1977年に山梨県での国体(1986年かいじ国体)の開催が決まると、小淵沢町では「山梨県立馬術競技場」の開設をはじめ、強化策を打ち出し、馬術競技の開催地として動き出しました。
・八ヶ岳高原での馬の生産育成の歴史
・戦後、近年乗馬を取り入れた観光施設の勃興
以上が主な要因となり、無事競技会場に決まると、町一体で盛り上げ馬術競技会を成功させました。
小淵沢町開発の目玉として”乗馬の町”をつくりたい、という将来構想が当時の町長によって語られ、大会後も競技場を存続させ、乗馬クラブも発足し、馬術競技の先進地としてまだ普及率の低い馬術・乗馬というスポーツの底上げが推し進められました。
さらに、広く注目されるようになったきっかけが、NHK大河ドラマ「武田信玄」のロケ地となったことでした。
1987年から半年以上という長期スパンで、地元の馬、地元エキストラが参加し、大河ドラマ史上最大規模のロケが行われました。番組も高視聴率を記録し、小淵沢町の名は広く知れ渡りました。
その後、馬が出演するドラマや映画のロケは小淵沢で数多く撮られるようになりました。
現在でも11ほどの乗馬クラブが馬術競技場の周りに点在し、各クラブ特色のある騎乗を楽しめます。
棒道や観音平、道の駅こぶちさわ付近では、外乗(乗馬クラブを出て、山や森の中を馬に乗って走るアクティビティ)の馬に出会うことも。
また、夏には「八ヶ岳ホースショー」、秋には「馬のまち祭り」が例年開催され、エンデュランスやホーストレッキングなどの大会も実施されています。
山梨県立馬術競技場でのイベント年間スケジュールはこちらを参照ください。
小淵沢図書館や郷土資料館には、馬資料のコーナーも。馬のまちならではです。
降水量が少なく標高1000mの小淵沢は、暑さに弱い馬にとって過ごしやすく、定期的に開催される大会では、馬も選手も全力で臨めます。涼しく静かな山の中は安心して歩ける棒道などもあり、馬と相性のいい土地柄だからこそ「馬のまち」としてあり続けているのかもしれません。
(参照資料『小淵沢町誌 -閉町記念誌ー2006.3』『広報 こぶちさわ 縮刷版3‐2』)
馬のまち祭り2021
2021年11月14日、八ヶ岳南麓、小淵沢にある山梨県立馬術競技場で2年ぶりに"馬のまち祭り"が開催されました!
”馬とふれあう棒道ウォーク”との同時開催で、競技場は朝からにぎわいました。
引き馬体験された方は、乗った馬をチェックしてみてくださいね。
菱丸登場、馬も一緒に撮影タイム
山梨県のゆるキャラ・武田菱丸 が来て、開会式、準備運動と、会場をあたためてくれました。
今回、菱丸や馬との撮影タイムもあり、普段なかなか出会えない2人に子どもから大人まで興奮気味の様子でした。
とはいえ、馬は、見慣れていないものには怯えて警戒する生き物です。
菱丸がどんなに可愛くても、それまで悠々と走っていた馬のシグロも、見慣れないシルエットに体が固まってしまいます…。
菱丸には動かないでいてもらい、乗り手が「大丈夫だよ」とシグロを促して、ようやく近寄れたもののすぐに後ずさり。
促しと後ずさりを繰り返していくうち、乗り手とのコミュニケーションで菱丸は危険な存在ではないと認識して隣まで歩み寄れ、最後は大勢のカメラを前にポーズまでとってくれました。
撮影を終えた後は、また悠然とした姿で馬場に戻っていきました。
本当に強くて賢い、いい子です。
引き馬体験 スタート
馬術競技場の馬場内を、引き馬で1周。
想定以上の希望者があり時間が足りず、当初より小さめの1周になりました。
”引き馬”という乗り方ですが、馬に乗るのが初めてな方や少し怖いという方もスタッフの人が馬を引いてくれるので安心して楽しめます。
馬に乗ったときの高さは、馬の背までが160~170センチ + 人の座高が80~90センチくらいなので、240~260センチくらいの目線になります。また、馬の一歩は大きく左右前後にゆったり揺れるので、腹筋を少し引き締めて上半身に芯を通すイメージで乗ると少し安定します。
ただ引き馬のときは、スタッフさんがそばにいるので、リラックスしていつもと違う眺めや馬の動き、馬の温かさを楽しんで乗ってみてくださいね。
■騎乗料 500円
※ウォーキング参加の際もらえる「おもてなし券500円」の利用可
今回は、引き馬体験の他、ウエスタンの衣装に扮してプロのカメラマンが撮影してくれるサービスも!
馬の背中には鞍を乗せるので、安定して乗ることができるのですが、鞍には主に2つの種類があります。
1つはウエスタン鞍、もう1つはブリティッシュ鞍です。(時代劇などでは、和鞍を付けます。)
乗馬スタイルも、ウエスタンとブリティッシュとあり、乗馬スタイルに合わせた鞍を乗せています。
今回シグロ以外は、ウエスタン鞍を付けました。
ウエスタン鞍の方がずっと重く馬は大変なのですが、乗り心地は安定するので、初めての騎乗や引き馬ではよく使われます。
今回、ウエスタン調の馬装に合わせて、ウエスタン衣装の無料貸し出しをいたしました。
ウエスタンハットやピストルなどお好みのスタイルで馬に乗っていただきました。
さらに、プロのカメラマンによる記念撮影も!
馬に乗るとみんな自然と笑顔になるので、記念写真としては最高のシャッターチャンスになりました。
(後日、小淵沢観光案内所のHP「ほくとナビ」にアップされるので期間内に無料でダウンロードしていただけます。)
流鏑馬とジャンピング(障害馬術)のデモンストレーション
午前の部の引き馬が終わり、ウォーキング参加者がゴールし始める昼過ぎ、カナディアンキャンプ乗馬クラブによる”流鏑馬”とララミー牧場による”ジャンピング(障害馬術)”のデモンストレーションが行われました。
流鏑馬は、思った以上のスピードで騎手は手綱を持たずに弓矢を操ります
競技場の100mほどの距離に3つの的があり、何パターンかで矢を放っていきます。
騎手が矢をつがえたり、放つときの体のバランス、馬の速度やリズム…、人馬のタイミングが合って的中するので、その確率はとても低いのではないかと思われます。
その人馬一体の瞬間は、ぜひ生で見て感じてください!
ジャンピング(障害馬術)は、競技種目の1つです
障害馬術は、馬術競技の種目の1つで、他に馬場馬術・総合馬術があります。
これらを見たことのある人は、少ないのではないでしょうか。
障害馬術とは、
横木と言われるバーなど障害物を順番通り飛び越えてタイムを競う競技です。
今回は、タイムや減点など競技方式ではありませんが、普段、牧場でのんびり草を食べている馬とは違った姿を見られます。
跳んでくれたのは、障害競技専門でやってきたララミー牧場の女の子、ブードゥー。
観客にも動じず、落ち着いた余裕のジャンピングです。